こんにちは、ジャックといいます。
今回はS17で使用している構築を紹介します。上位プレイヤーとも互角以上に戦うことができた良い構築だと思うので是非参考にしてください。
【構築画像】
【コンセプト】
・型の匿名性を活かした択と安定行動の両立
・タケルライコ+ドヒドイデの選出誘導で相手の選出パワーを下げるor有利なポケモンを通しやすくする
【構築経緯】
レギュレーションGでミライドンを使いたいので、練習のためにもミライドンと同タイプのタケルライコから今期は構築を組み始めた。
タケルライコの型について色々と考えた時、弱点である「メインウェポンが無効タイプに透かされる」「迅雷択において常に不利な択になることが多い」をカバーすることが有利な試合展開を行う上で必要な要素であると考えたため、
①相手の交代や変化技のターンに体力回復をして場立ちを良くする食べ残し+火力と耐久を増強できる瞑想
②択に勝った時に確実に相手を削ることがでかる+カイリューのアンコールに縛られないCSベースの調整
を踏まえた調整と技構成で採用した。
また、現環境の使用率が高いポケモン達に対して再現性がある行動を取り続けることが勝つために必要な要素であると考えて、スタンパや対面構築に対して安定行動=強い動きとなる襷水ウーラオス+最速エナジーハバタクカミの並びを同時に採用。ここまでを基本選出とした。
基本選出は汎用性を落とさず幅広く対応できる強みがあるが、ドオーのようなタケルライコ+カミラオスに強いポケモンがいる場合や、毒キョジオーン+アンコールカイリューの並びに択負け次第では何も出来ずに負けてしまう。そこで、ドオーやキョジカイリューなどの受けを破壊できるポケモンとして隠密マント剣舞氷テラバランドロスを採用し、ランドロスの苦手なパオジアンやスカーフ水ウーラオスへの引き先としてドヒドイデを採用。
ここまでで重たいママンサイクルやカイリュー+ハッサムのような並びに対してランドロスと組み合わせることで、鬼火とはたき落とすを絡めた有利サイクルを形成できるガオガエンを採用。
ここまでの6体でランクマに潜ってみると、1桁直前までは順位を上げられたものの、ヘイラッシャやアーマーガアなどのランドロスで解決できない受けポケモンや氷テラバランドロスで解決できるはずだったランドライコも想像以上に苦戦してしまったので、選出率が低かったガオガエンをオボン剣舞パオジアンへ変更。
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最後に、後手からの欠伸ループに対して切り返しが難しかったことや欠伸に対して強気に剣舞を推したい場面が多かったため、ランドロスの持ち物を隠密マントからラムの実に変更。構築が完成した。
【単体解説】
タケルライコ
テラスタイプ:妖精
性 格:控えめ
特 性:古代活性
実数値:219(148)-*-118(52)-192(140+)-110(4)-116(164)
持ち物:食べ残し
技構成:迅雷 / 10万ボルト / 龍の波動 / 瞑想
〈調整〉
HB…等倍テラス後、陽気パオジアンの氷柱落とし×2を残飯回復込み確定耐え
陽気パオジアンの氷柱落としを12.5%耐え
HD…等倍テラス後、控えめハバタクカミのムーンフォース×2を残飯回復込み96.1%耐え
臆病ハバタクカミのムーンフォースを確定耐え
S…最速52族+2(S振り電磁波カイリュー意識)
C…最強になるために余り全て
首が伸びたライコウ。
火力のある「10万ボルトor龍の波動+迅雷」での縛り性能と「瞑想+残飯回復」による要塞化才能に優れる。
今回のタケルライコの特筆すべき点は「CSベース調整+瞑想」の組み合わせにある。これにより「瞑想に対するアンコールをケアする」「上から行動することで迅雷択を作らない」「瞑想なしで大幅な削りをする」等の動きが可能であり、タケルライコに対する対策を簡単に鴨ることができた。また、S振りによりタケルライコミラーや遅いサーフゴーに対しても上から行動することができた点も優秀である。
このポケモンの優秀な点は他にもあり、「竜の耐性でタイプ受けがしやすい」「迅雷でスイープができる」「テラス込みで殴り合いに強い」「電磁波カイリューや電磁波サーフゴー、水ウーラオスに明確に強い」などが挙げられる。また、ランドライコの並びから相手のランドロスを強く誘うため、後述するパオジアンを通しやすくする選出誘導としても役立った。
優秀なポケモンではあるものの、弱点として無効タイプで有利対面を作られることが多かったため、交代が読める場面や有利対面ができた時は瞑想を押すことを心がけた。
テラスタイプはフェアリー。タケルライコは数値受けが優秀であるため、受けの等倍範囲を広げるために採用した。
ウーラオス(連撃)
テラスタイプ:霊
性 格:意地っ張り
特 性:不可視の拳
実数値:175-200(252+)-121(4)-*-80-149(252)
持ち物:気合いの襷
技構成:水流連打 / アクアジェット / インファイト / アイススピナー
〈調整〉
A…対面性能を意識して特化
S…早いサーフゴーやブリジュラスを意識して準速
カタストロフィ+ゴツメ×3でHPが1残る
武闘熊師。
「水流連打orインファイト+アクアジェット」の一貫性が高いリーチで対面性能が抜けて高く、それらの技を半減で受けてくるカイリューに対しては「水流連打orインファイト+アイススピナー」で破壊することができる。
今回は初手置き要員として採用し、後述するドヒドイデを狩るために初手に出されがちなガチグマや零度パオジアン、ブリジュラスを「テラスを強要しつつ大幅な削りor深読みを利用した対面突破」の強い二択を押し付けることでほぼ全ての試合で優位展開に持っていくことができた。
テラスタイプはゴースト。ゴーストにすることで「受け出してきたカイリューに対して神速をゴーストテラスで透かす→アイススピナーで突破」「剣舞水ウーラオスに対してインファイト→半減テラスからのA+2ドレインパンチの切り返しをゴーストテラスで透かす→水流連打orインファイト+アクアジェットで突破」など、水テラスタル以上に想定される場面での切り返しとして役立った。
今回は特に読みを意識した技選択を心がけており、例えばウーラオスvsランドロスの有利対面ができたら「水流連打に対してブリジュラス引きで対応してくる」ことを読んでランドロスにインファイトを押し、交代先のブリジュラスにもインファイトを連打することでランドロス引きを誘発して水流連打で仕留める。ママングライ+テツノツツミに対して「ママンボウにインファイト→クイックターンのテツノツツミ引きにテラスなしでインファイト→相手はスカーフをケアして素でママンボウ引き→拘りインファイトを読んでクイックターンでグライオンバック」というスカーフとテラスをケアした相手の行動に対して強気な行動を合わせることで、グライオンを呼び出して水流連打で破壊するなど、有利対面や不利構築に対して襷による安定行動を取るのではなく、試合全体を通した流れを掴むための一手を狙った。パオジアンと組んでいるため襷が読まれにくい点も追い風。
ハバタクカミ
テラスタイプ:妖精
性 格:臆病
特 性:古代活性
実数値:131(4)-*-89(108)-173(140)-156(4)-205(252+)
持ち物:ブーストエナジー
技構成:ムーンフォース / 挑発 / 甘える / 痛み分け
〈調整〉
HB…意地パオジアンの不意打ちを最高乱数切り耐え
HD…控えめガチグマのブラッドムーン+真空波を82.4%耐え
S…交代後やミラー意識で最速
C…崩しと対面を意識して可能な限り高く
神。
型の匿名性とテラス強要性能が抜けて高く、「挑発+甘える+痛み分け」により欠伸ガチグマやクリチャカイリュー、HDランドロスですら止まらない無類の対面性能と起点作成性能を誇る。
今回はウーラオスで荒らした後の二番手として採用し、スタンダードな構築で重くなりがちな電気テラス電磁波や瞑想ドレキといったハバタクカミを「挑発+火力のあるムーンフォース」で突破、炎オーガポンやHDランドラスに対して「挑発+甘える+痛み分け」で相手のメタを超えた動きを行うことができる。シャドーボールを切っているため鋼テラスに対して対応できなさそうに見えるが、鋼テラス物理に対しては「挑発+甘える+痛み分け」or「甘える連打で起点作成」、鋼テラス特殊に対しては「挑発+ムーンフォースの削り+痛み分け」で問題なく対処ができる。水ウーラオスだけが明確に苦手なポケモンだが、水ウーラオスに対してはタケルライコが明確に強いため問題なかった。
テラスタイプはフェアリー。ウェポンがムーンフォースのみである+C振りテラスムーンフォースでカイリューや遅いハバタクカミを押せるということで採用した。
テラスタイプ:氷
性 格:陽気
特 性:威嚇
実数値:165(4)-177(252)-110-*-100-168(252+)
持ち物:ラムの実
技構成:地震 / テラバースト / 剣の舞 / 身代わり
〈調整〉
A…A↑2氷テラバーストでH252-B164振りチオンジェン(S16最終18位の調整)を93.75%
A↓1氷テラバーストでH252-B4振りランドロスを確定
S…準速ウーラオスやイーユイ意識で最速
HB…ステロダメ+A↓1意地カイリューのテラス神速×2を確定耐え
剣盾の亡霊。
「威嚇+地面無効+電気無効」という構築に必要な要素を全て兼ね備えているだけでなく、構築を組む上で課題になりがちな「キョジオーン+カイリュー」「チオンジェン+毒タイプ」の並びやカバルドンとドオーのような「ステロ+状態異常(欠伸、毒毒)」に対して、タケルライコと組ませたことによる型の誤認と匿名性を活かした圧倒的マジレス性能を誇る。
テラスタイプは氷。テラバーストの範囲を考えると飛行が選択されがちだが、氷にすることでキョジオーンやサーフゴーと組んでいるカイリューをA↑2氷テラバーストでマルチスケイルを貫通して倒すことができる上に、ランドロスを不意の氷テラバーストで倒すことができる。環境に剣舞型が存在しないこともあり、氷テラバーストは一度も警戒されることがなくイージーウィンを量産することができた。
このような補完枠は想定される構築に対しては無類の強さを誇るが汎用性がないため、環境の変化によってはお荷物になる可能性が高い。しかし、ランドロスはそもそものスペックが高いため単体でも投げやすい点や見せポケに釣られて選出しても「AS振りによる予想外の火力と素早さ+剣舞+ラムの実」により最低限以上の仕事をこなせるため、最強の補完枠といっても差し支えがないほどの強さだった。
ラムの実にも関わらず身代わりを採用しているのは、最速グライオン対面で「ラムの実で毒毒を無効化→身代わり」で相手視点予想外の対面を作り出せることや、初手キョジオーン対面で身代わりが通ればイージーウィンができる、テラスが読める場面での様子見として役立つなど幅広く活躍した。ただ、挑発だと楽に勝てた試合もあるため諸説ではある。
テラスタイプ:虫
性 格:腕白
特 性:再生力
実数値:157(252)-83-217(204+)-*-169(52)-55
持ち物:ゴツゴツメット
技構成:アクアブレイク/毒毒 /黒い霧 / 自己再生
〈調整〉
HB…意地ウーラオスのA↓1(威嚇後)テラス雷パンチを確定2耐え
HD…臆病ハバタクカミのC↑1シャドーボール +シャドーボールを確定耐え
選出画面で最も警戒されるポケモン。
優秀なタイプによるタイプ受け+ゴツゴツメットの定数ダメージ+「毒毒+自己再生」により明確な不利対面がほとんど存在しない。
本構築でのドヒドイデは毒殺を意識するのではなく、不利対面でのタイプ受けと構築全体的に足りない火力をゴツゴツメットで補うという用途で採用した。また、このポケモンの真髄は選出圧力にあり、「ドヒドイデを破壊するために初手電気テラスパオジアンを誘う→裏のタケルライコやパオジアンがテラス警戒なしで通せる」「絶対零度パオジアンをウーラオスで鴨る」「ドヒドイデ警戒で毒菱+受けの選出をさせない」「ドヒドイデを意識したディンカイサフゴ選出をウーラオス+ランドラスで破壊」などなど、このポケモンの採用することで相手の選出と行動を制限させ、パワーのある選出で破壊した。自分が良い順位を取ることができたのは間違いなく、このポケモンが圧をかけてくれたからである。
アクアブレイクを毒突きにすると、苦手な身代わり持ちの水オーガポンや水テラスハバタクカミに強く出られるが、それを加味してもアクアブレイクのBダウンの恩恵が大きいのでアクアブレイクを採用している。
テラスタイプは虫。虫タイプの理由は地面を半減にしつつ「氷+水+悪+妖精+霊」を等倍で受けられるため。
パオジアン
テラスタイプ:電気
性 格:意地っ張り
特 性:災の剣
実数値:177(172)-176(156+)-114(108)-99(個体値31)-86(4)-164(68)
持ち物:オボンの実
技構成:氷柱落とし/ テラバースト / 不意打ち/ 剣の舞
〈調整〉
HB…意地カイリューのA↑1スケイルショット5発をオボン回復込み97.52%耐え
意地カイリューのスケイルショット+神速をオボン回復込み確定耐え
テラス後、意地パオジアンの氷柱落とし×2を確定耐え
HD…等倍テラス後、ステロダメ+実数値173ハバタクカミ(S11最終1位調整)のムーンフォースを確定耐え
S…最速97族+1
A…可能な限り高く
H156-B100振り等倍テラスウーラオス(S14最終9位調整)をゴツゴツメット×2+A↑2不意打ちで確定
H132-B4振り等倍テラスパオジアン(S15最終19位調整)をA↑2氷柱落としで87.5%
C…A↓4でテラバーストが特殊になる
特殊電気テラバーストが無振り水ウーラオスに65.5〜76.6%
災の王。
「氷柱落とし+電気テラバースト+不意打ち」により環境ポケモン全てに等倍以上で殴り合うことができる。
今回は耐久振り+オボンの実により襷パオジアンだと不利なスケショ鋼テラスカイリューやパンチグローブ水ウーラオスに対して有利に立ち回ることが可能であり、ここまで耐久に振ることで対面突破後に裏から出てくるカイリューのテラスなし神速まで耐えることができる。想定を超えた耐久の高さは相手の技選択や行動をミスらせ、結果的に勝利に繋げることができた。また、水ウーラオスと組んでいることで襷だと想定されやすいことも追い風だった。
そもそも剣舞パオジアン自体が襷水ウーラオス+エナジーハバタクカミを対処して疲弊した構築に対しての詰め性能が高い上に、S17はレギュF最終シーズンということで、安定行動ができる襷パオジアンが環境のメジャーになったため剣舞パオジアンへの意識が薄れており、警戒されていない剣舞パオジアンは最強の一言だった。
不意打ちは氷の礫との採用択になるが、今回は最速97族以上に対しての行動補償と眼鏡テツノツツミへの解答が欲しかったため不意打ちを採用した。
要点
水ウーラオス +エナジーハバタクカミ+@1による安定行動と対応力
安定した殴り合い、テラスタルの誘発と積み技を絡めることで崩しと詰めを両立して、幅広い構築に対して勝率を高めることができた。
電磁波に対する解答を用意する
電磁波は全ての構築で採用される可能性があり、電磁波対策を怠れば常に痺れの負け筋が付きまとう。今回はその電磁波に対して電磁波無効で積み技を使うことで、相手の電磁波を逆に起点にできるようにした。
相手視点見えない対策
既存に無い要素を持つ強い型を使うことで、自分視点のみの安定行動で有利な展開を作りやすくしている。
選出圧力による選出誘導
軸が不利な構築に対しても選出圧力を掛けることで、相手の選出を歪ませて有利な試合展開を運ぶことができる。
選出
基本選出++
水ウーラオスで荒らした盤面をハバタクカミで整えながら、テラスの誘発と甘えるでの起点作成を行い、剣舞パオジアンで詰めきる。
ステロ撒き入りスタン++
ステルスロックで展開してくる相手に対して初手襷枠+ステロダメの影響が少ない2体によりステルスロックの1ターンでアドバンテージを稼ぐ。
受けポケモン入り選出+or+or
ランドロスで崩すことを意識して、ランドロスの不利対面で引き先となるタイプ受けとスイーパーを選出する。
ディンカイサフゴ++or
水ウーラオスでディンルーに毒テラスを切らせて削る→受け出してきたカイリューをゴーストテラスを切って倒して、地面の一貫ができた相手をランドロスで詰める。
重いポケモン
ヘイラッシャ
構築のうち3体が止められてしまう。タケルライコで対処できるように見えるがディンルーやランドロスと組まれていると勝つことが難しい。
イエッサン
ワイドフォースに後投げから切り返せるポケモンが存在しない。特にイエッサン+テツノカシラは勝つことが難しい。
最後に
タケルライコから軽く組み始めた構築でここまで戦えるとは思いっていなかったので、順調に順位を維持できていて嬉しいです。それと同時に今季は机上論ではなく実際に経験を積むことが必要であるということを再認識するシーズンでもありました。
この勢いのまま最終日まで戦い続けようと思います。ここまで読んで下さりありがとうございました。