【構築経緯】
レギュレーションFが始まったことで様々な新規ポケモンが開拓されていく中、相変わらずBIG7(カイリュー+ハバタクカミ+水ウーラオス+オーガポン+ガチグマ+パオジアンorサーフゴー)がマジレス性能が高いため環境に蔓延っているため、今期勝つためには新ポケモン構築+BIG7+キョジ軸+サイクル構築の全てに幅広く対応できる構築を考え始めた。
幅広い構築に対応できる並びとして「毒テラスHD呪いキョジオーン+妖精テラスHBワイドブレイカーカイリュー」で荒らして鉢巻水ウーラオスで崩すorスイープする動きを考案して、取り巻きとして「スカーフイーユイ+襷パオジアン+眼鏡サーフゴー」を採用したキョジ軸をシーズン初期から長らく使っていた。
前述したキョジ軸を使っていくうちに
①毒テラス呪いキョジオーンがエナジーハバタクカミを軸にした構築以外に通しにくい(具体的は地面弱点がなくならないため竜舞カイリューが重たい)
②妖精テラスワイドブレイカーカイリューがウーラオス受けのためゴツメで採用しているがステロが重たい+汎用性が高いが器用貧乏感が否めない
ということに気がつき、この構築だと最終日まで勝ち残ることはできないと考えたので手に馴染んだキョジオーンは確定として取り巻きを0から再び考え始めた。
今の環境ではキョジオーン=HD毒テラス呪いとなっているので、相手との認識のズレを利用できるようにキョジオーンを水テラスHBD呪いで採用。水テラスキョジオーンで重たい眼鏡ハバタクカミの一貫を切れるテツノドクガを採用し、前期「キョジオーン+テツノドクガ」の並びを使っているとガチグマが高頻度で選出されたことを思い出し、テツノドクガの型はそれらを鴨ることができる眼鏡で採用した。
「キョジオーン+テツノドクガ」の並びだと地面技の一貫を切れていないのでカイリューを採用し、型は机上論全ての構築にサイクル要員兼スイーパーとして投げられるブーツノマテラ神速で採用。この並びで欠けている物理瞬間高火力の要素を補いつつ崩し枠として強い鉢巻水ウーラオスを採用。
ここまででモロバレルやカバルドンを採用したサイクル構築や炎オーガポン入りのスタンパに対して負荷をかけられるポケモンが不在だったので相棒枠のオーガポンを今期は岩オーガポンで採用。最後に相手の構築に採用されていると選出が歪みがちなポケモン(キラフロル、ヒードラン、キョジオーン、ジバコイル)に対して汎用性を落とさずに対応できる地面テラス身代わりハバタクカミを採用して構築が完成した。
【コンセプト】
・相手との認識のズレを利用した構築
・最強のポケモンを使う
【単体解説】
キョジオーン
テラスタイプ:水
性格:腕白
特性:清めの塩
実数値:207(252)-120-170(36+)-*-138(220)-55
持ち物:食べ残し
技構成:塩漬け/呪い/守る/自己再生
<調整>
HD…控えめイーユイの悪の波動を残飯回復込み確定2耐え
パルデアにおける絶対不動の最強格。
「塩漬け+呪いHDの両受け性能+高速再生技+テラスタル」での安定した崩しが行えるのはもちろん、環境で常にトップのカイリューやハバタクカミに対して隠密マント身代わりを問わず安定したゲームプランを立てることができる。また、今回は水テラスで採用したことで水ウーラオスやスケショアイヘカイリューに対しても性能を落とさない。
「守る」は拘り持ちの技を見てから動くためや食べ残しの回復量を稼ぐという様子見として非常に強力な技であるが、言い換えれば塩漬けを押した相手に交代の隙を与えてしまう技であるため、基本的に1サイクル目は守るをあえて隠して塩漬けや自己再生を押していた。
キョジオーンは安定行動が必須ともいえるポケモンに見えるが、実は相手視点キョジオーンが自己再生を押すタイミングや、キョジオーンで受けが成立していないので裏に引いてくるのが読める対面で、あえて自己再生や交代をせずに塩漬けを押せるかという、高度な読みが必要なポケモンであり、練度不足では勝てないことを実感した。
キョジオーンを軸にした構築はワンマン構築になりがちであり、相手の選出択や型依存になりがちだが、今回はメタを超えたメタを用意することで十分にキョジオーンで相手を壊滅させることができた。
テラスタイプ:ノーマル
性格:意地っ張り
特性:マルチスケイル
実数値:197(244)-204(252+)-116(4)-*-121(4)-101(4)
持ち物:厚底ブーツ
技構成:神速/地震/アンコール/羽休め
<調整>
H…数値受けをするので可能な限り高く
A…神速のリーチを伸ばしたいのでガチ特化
本構築のMVP。ほぼ全ての試合に選出した。
キョジオーン軸のカイリューはHBベースorHAのゴツメ型がほとんどであるためステロを撒いて対策してくる人が多いが、それらに対してブーツの行動補償とテラス神速による上からの制圧で数多くの試合を拾った。クッションとしても「数値受け+アンコール+高速再生技」を兼ね備えているため幅広い範囲に対応可能であり、現状変えが存在しない。
テツノドクガ
テラスタイプ:ゴースト
性格:控えめ
特性:クォークチャージ
実数値:155-*-80-211(252+)-131(4)-162(252)
持ち物:拘り眼鏡
技構成:オーバーヒート/ヘドロウェーブ/毒菱/吹き飛ばし
<調整>
C…全てを破壊したいのでガチ特化
S…遅いオーガポンを抜きたいので振り切り
破壊枠超えて最狂。
キョジオーンが誘うガチグマをオーバーヒートで破壊してチョッキの場合は裏の圏内に押し込むという対面的な側面と苦手な眼鏡ハバタクカミのムーンフォースの一貫を切ることができるという受けの側面も持つ神。眼鏡にも関わらず「毒菱+吹き飛ばし」を採用しているのは、HPミリの場合に毒菱を展開したり、不快なフワライドバトンに対して猛毒菱→交代から吹き飛ばし連打でイージーウィンすることができるため。キョジオーンと組んでいるからか火力のないHSだと思い込んで無理な突っ張りや交代受けをしてくる人が多く、それら全てを「キョジオーン+カイリュー」と組み合わせることで受けループやサイクル構築を問わず破壊しまくった。テラスタイプは神速を透かせるゴーストだが一度しか切っていない。最狂!
ウーラオス(連撃)
テラスタイプ:水
性格:陽気
特性:不可視の拳
実数値:175-182(252)-121(4)-*-80-163(252+)
持ち物:拘り鉢巻
<調整>
A…全てを破壊するために振り切り
S…遅いオーガポンや低速サイクルを破壊するために最速
数多のブリジュラスを葬った破壊神。
有利対面を使った際のアドバンテージが凄まじく、テラス水流連打はHAカイリューすら後投げが成立しないレベルの火力が出るので交代を駆使して有利対面を作ることを心がけた。鉢巻インファイトは耐久振りブリジュラスを確1で葬れるので「頑丈以外でお願い!持久力じゃないとブリジュラス弱いって!」と祈りながらインファイトを撃っていた。ランドロス+ブリジュラスみたいな並びだとランドロスで水流連打を誘ってブリジュラスの持久力×3を発動を狙われることが多かったのでランドロスにインファイトを撃つというヤンキープレイを数多くしていた(交代読みは全て決まった)。鉢巻水ウーラオスは耐久振りやスカーフとは違い行動補償がないのが弱いだが、カイリューやキョジオーンを引き先として用意することで弱点がなくなった。強いけどぶっちゃけ噛み合いポケモン代表だと思う。
オーガポン(礎の面)
テラスタイプ:岩
性格:意地っ張り
特性:頑丈(面影宿し)
実数値:155-189(252+)-105(4)-*-116-162(252)
持ち物:礎の面
<調整>
A…モロバレルやサーフゴーを破壊するためにガチ特化
S…遅いオーガポン意識で振り切り
5シーズン必ず構築にいる相棒枠。
岩オーガポンは「蔦棍棒+ウッドホーン+はたき落とす」の技範囲が凄まじく広いため、キョジオーンを警戒して崩し重視の選出をした場合は引先を用意することが難しいので一々交換以上を狙いやすい。サーフゴーで無理やり受けてくる場合もあるが、HBでないなら「蔦棍棒+はたき落とす」を受けられないので容易に対面突破ができる。「モロバレル+ママンボウ」のような並びに対しては交代のタイミングでテラス蔦棍棒を押すことで受けが成立しなくなるためイージーウィンすることができる。「蔦棍棒+アンコール」は相手の積み技や高速再生技を縛って交代を強いることで蔦棍棒の高火力を押し付けることが可能であり、この動きでイージーウィンしたことも少なくない。
ハバタクカミ
テラスタイプ:地面
性格:臆病
特性:古代活性
実数値:145(116)-*-93(140)-176(164)-156(4)-182(84+)
持ち物:ブーストエナジー
技構成:ムーンフォース/シャドーボール/テラバースト/身代わり
<調整>
HB…A無振りキョジオーンの塩漬けを身代わりが確定耐え
HD…臆病テツノツツミのフリーズドライ+ハイドロポンプを確定耐え
S…最速110族+4(エナジーハバタクカミミラー意識)
C…可能な限り高く
構築経緯にも書いたように選出が歪みがちなポケモン(キョジオーンやキラフロル等々)に対してキョジオーン対面は基本的に毒テラス呪いしかいないので、テラスを切らせて身代わりを残しながら裏と対面、その他の地面4倍弱点持ちには初手テラバーストでテロして確実に詰めていく。採用当初は一部構築にしか投げない予定だったが対面性能が高いので対面選出時に投げることも多々あった。